エマニュエル・リエ公園の温室群
シェルブール=アン=コタンタン、ノルマンディー

2026年9月時点で出典を確認済み
- 様式
- 19世紀の科学者の領地にある温室
- 規模
- 温室2棟、合計510 m²
- 状況
- 公園は一般公開。温室は歴史的建造物に指定(2015年)
シェルブールの中心にあるエマニュエル・リエ公園は、天文学者、探検家、植物学者のエマニュエル・リエ(1826~1900年)の旧庭園で、リエはブラジルで25年近くを過ごしたのち、故郷の市長となりました。1878年から整備され、1885年に開園し、リエの死後に市に遺贈されたこの公園には、合計510 m²の温室が2棟あり、南米のコレクションが豊富な、4,000品種の希少な植物を収めています。温室を含む敷地は2015年から歴史的建造物に指定され、2020年からは「ジャルダン・ルマルカーブル(Jardin remarquable)」の認定を受けています。
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歴史
エマニュエル・リエ(Emmanuel Liais)は、船主や商人を出した家に、1826年2月15日にシェルブールで生まれ、早くから植物学に関心を寄せました。1854年には、シェルブール園芸協会の最初期の会員のひとりになっています。天文学者だった彼は、1858年9月7日の日食を観測するためブラジルへ渡り、そのまま25年近く滞在しました。皇帝ペドロ2世(Pedro II)に近しく、1871年1月から7月までと、1874年から1881年まで、リオデジャネイロの帝国天文台を率いました。そこで彗星を発見し、皇帝の求めに応じて奥地への探検隊を率い、植物を調べて標本をフランスに送りました。こうした旅から生まれたのが、『Climats, géologie, faune et géographie botanique du Brésil』です。
1878年からは、シェルブールの自分の地所に植物園を造らせました。公園は1881年に設計され、1885年に開園し、天文台の塔、池、2棟の温室を備えています。故郷に戻ったリエは、1884年から1886年と、1892年から死去するまで、市長を務めました。1900年3月5日、死に際して地所を市に遺贈しました。遺言に基づき、1909年に公園内に図書館が建てられ、1832年創設の市立自然史博物館は、1910年に彼の邸宅に移りました。
温室を含む地所全体は、2015年9月2日に歴史的建造物に指定され、公園は2020年に「ジャルダン・ルマルカーブル(Jardin remarquable)」の認定を受けました。リエは、旅から持ち帰ったヤシの木の下、アルダンヴァスト(Hardinvast)に葬られています。
建築と構造
2棟の温室は、天文学者の植物学への情熱から生まれた、1 ha余りの19世紀の学者の地所に属しています。現在は博物館になっている邸宅、天文台の塔、1909年の科学図書館、管理人の家、スイレンを植えた池の近くに建ち、すべてが壁で囲まれています。
温室は合わせて510 m²です。2015年の指定の決定は、温室をその全体にわたって保護するほか、地所の土地と境界の壁、図書館とその設備、天文台の塔、博物館とその増築部分、管理人の家も保護の対象としています。メリメ(Mérimée)の文化財記録を含め、参照した資料には、温室の正確な建設年も、施工者の名も、構造や材料についての記述もありません。確かなのは、リエが19世紀後半につくった地所の配置に温室が含まれているということだけです。
植物コレクション
510 m²の2棟の温室には、約4,000品種の希少な植物が集められており、その中には、リエが順化させた南米の植物の豊富なコレクションも含まれます。リエは探検でブラジル奥地の植物相を研究していました。フランス公園・庭園委員会(Comité des parcs et jardins de France)は、これらの品種のなかにはフランスで、あるいは世界でも唯一のものがあると記し、地域観光協会も、ここにしかない熱帯植物があると紹介しています。
公園そのものでは、樹木や低木がかなりの大きさに育ち、池にはスイレンなどの水生植物があります。「ジャルダン・ルマルカーブル」の認定を受けたこの植物園は、天文学者であり、探検家であり、植物学者でもあった人物の仕事を受け継いでいます。
見学案内
公園はシェルブール中心部のビュカイユ地区、ビュカイユ通り(Rue de la Bucaille)にあり、一年を通じて開いています。見学には1時間ほどかかり、ひとりで巡ることも、市が行うガイドツアーに参加することもできます。温室のほか、天文台の塔、図書館、そして第二次世界大戦中に破壊された1903年の像に代わるリエの胸像が散策の道筋にあります。邸宅内の博物館は、2020年から改修のため閉まっています。数キロ離れたトゥールラヴィルにあるラヴァレ城(Château des Ravalet)の円形の温室まで足をのばせば、コタンタン半島の温室めぐりを広げることができます。
49.64° N, 1.63° W
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