ギーセン植物園の温室群(パルメンハウス、エルンスト・キュスター・ハウス、ヴィクトリア・ハウス)
ヘッセン州ギーセン

2026年10月時点で出典を確認済み
- 年代
- 2017~2022年
- 建築家
- HAAS Architekten(ベルリン)
- 様式
- プレキャストコンクリートとガラスによる現代的な大学の温室。パルメンハウスは1907年のパームハウスを思わせる造り
- 規模
- 利用面積749 m²、延べ面積992 m²(3棟)
- 状況
- エルンスト・キュスター・ハウスとヴィクトリア・ハウスは3月20日~10月20日に公開。植物園は冬季閉鎖
ユストゥス・リービッヒ大学の植物園は、1609年にさかのぼり、ドイツ最古の大学植物園を自称しています。ここでは、ベルリンの HAAS Architekten が設計した3棟の温室群が、2017年から2020年にかけて、老朽化した施設に取って代わりました。パルメンハウス(Palmenhaus)は、3つの部分と中央のドームをもつ造りで、空襲で失われた1907年のパームハウスを思わせ、園の鉢植えの植物の越冬を受け持っています。サボテン、多肉植物、ヤシのための暖かい温室であるエルンスト・キュスター・ハウス(Ernst-Küster-Haus)と、オオオニバス(Victoria amazonica)の池を囲んで建てられた円形のヴィクトリア・ハウス(Victoria-Haus)は、2022年4月から来訪者を迎えています。
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歴史
ギーセンの植物園は1609年にさかのぼります。この年、ヘッセン=ダルムシュタット方伯ルートヴィヒが、2年前に創設された大学に、城の塔のそばにある小さな庭園を与え、薬草園(hortus medicus)を設けさせました。ウィキペディアによると、1699年には植物を越冬させる建物が建ち、1720年には最初のガラスハウス(Glashaus)ができて、1859年に取り壊されました。アドルフ・ハンゼン(Adolph Hansen)の時代には、園にいくつかの冷室と、1904年に落成した大型の越冬用の温室が加わりました。園自身と雑誌『バウマイスター』(Baumeister)は、1907年のパームハウスにも触れており、『バウマイスター』はそれを、玄武岩の柱で仕切られた3つの身廊と中央のドームをもつヴィルヘルム時代の様式と述べています。二つの年代が同じ建物を指すのかどうかを、資料は明らかにしていません。
1944年12月6日の連合軍の空襲は、これらの施設を壊滅させました。植物学者のエルンスト・キュスター(Ernst Küster)は、園に200~300発の焼夷弾が落ち、すべての温室のガラスが音を立てて崩れ落ちたと伝えています。『バウマイスター』によれば、パームハウスは爆撃の犠牲になりました。戦後の再建は、1982年までディートリヒ・フォン・デンファー(Dietrich von Denffer)、次いでリュディガー・クナップ(Rüdiger Knapp)のもとで続けられ、新しい温室が生まれましたが、ヘッセン州の財務担当次官は2019年に、それをつぎはぎのものにすぎなかったと評しました。
現在の計画は、2017年8月に、そこにあったものの解体から始まりました。2019年11月22日付のプレスリリースは上棟式(Richtfest)を伝えており、予算は当時約800万ユーロとされ、うち480万ユーロは「高等教育協定2020」から、320万ユーロは大学から出ました。大学は2020年12月の引き渡しを記録していますが、植物園自身のページは、3棟を2020年または2021年のものとしています。エルンスト・キュスター・ハウスとヴィクトリア・ハウスは2022年4月11日に来訪者に公開され、パルメンハウスは当初閉じたままでした。正式な落成式は2022年9月16日に行われました。旧パームハウスの壁と屋外の池は残されました。大学のプロジェクト資料は、総工費を7,932,000ユーロとしています。


建築と構造
この計画は3棟の建物をまとめたものです。パルメンハウス、ヴィクトリア・ハウス、そして暖かい温室であるエルンスト・キュスター・ハウスで、庭師のための職員用設備も備えています。大学のプロジェクト資料は、延べ面積992 m²に対して利用面積を749 m²と数えていますが、2022年のプレスリリースは利用面積の合計を833 m²としており、この差を資料は説明していません。
パルメンハウスは、歴史的な建物の特徴を受け継いでいます。重厚な柱、3つの部分に分かれた平面、中央の棟にかかるドームです。『バウマイスター』によれば、骨組みは大型のプレキャストコンクリート部材と、その間に張られたガラスのファサードを組み合わせたもので、側面の身廊にはガラス屋根が架かり、中央のドームはガラス製です。ガラスは、できるだけ多くの光を通すために選ばれた、低鉄分の白色ガラスです。メーカーの Wicona は、この建物に Variolux Thermo36 hi の屋根システムと Wictec 50 HI のファサードシステムを、ほかの温室の外皮には Variolux システムを挙げています。冷房は、水の蒸発を利用する気化式(アディアバティック)冷却で、熱と光はコンピューターで制御されています。夏には、パルメンハウスでコンサートやイベントを開くこともできます。
暖かい温室のエルンスト・キュスター・ハウスは、外気が-15 °Cまで凍てついても、室内は約18 °Cに保たれます。床スラブはなく、通路は自然な形に敷かれています。基本的な構造は1858年と1936年の建物にさかのぼり、温度の異なる3つの区画があります。ヴィクトリア・ハウスは円形で、中央の大きな池が目を引きます。


植物コレクション
パルメンハウスは、何よりも冬の避難所です。10月から5月まで、寒さに耐えられない園の鉢植えの大きなコレクションを収めます。それ以外の時期は、展覧会と、園の「グリーン・スクール」(Grüne Schule)に使われ、子どもや若者向けの活動が行われています。
エルンスト・キュスター・ハウスは、熱帯と亜熱帯の植物を、暖房の温度が異なる3つの区画で見せており、なかでもサボテン、多肉植物、ヤシが目立ちます。ヴィクトリア・ハウスは、池の中央に、名前の由来であるオオオニバス(Victoria amazonica)という巨大な熱帯の睡蓮を据え、ほかにも多くの熱帯の水生植物や有用植物を育てています。大学によれば、オオオニバスを専用の温室に移したことで、教育用のスペースが空き、池の大きさと気候も植物の求めるものにより合ったものになりました。
4つ目の温室であるアドルフ・ハンゼン・ハウス(1980年)には、増殖用の区画と、教育・研究用のコレクションがあり、熱帯と亜熱帯の幅広い種を集めた有用植物の温室も併設されています。ここはガイドツアーでしか入れません。大学は、植物園全体でおよそ7,500種を数えています。
見学案内
温室は、市の中心にある植物園の中、ゼンケンベルク通り(Senckenbergstraße)に面しています。温室の公式の公開時間に挙がっているのは、エルンスト・キュスター・ハウスとヴィクトリア・ハウスだけです。パルメンハウスは、鉢植えの冬の貯蔵庫と夏の展示スペースを兼ねています。植物園は10月下旬から3月中旬まで閉まっています。
温室群は延べ面積が1,000 m²に満たないため、見学は自然に園内へと広がります。ダーウィンの進化の小道、視覚障害のある来訪者のために設けられた香りと触感の庭、ローズヒップの形をしたバラ園、そして旧城の向かいにある、1816年に植えられた園で最古の木であるイチョウなどがあります。ガイドツアーも用意されています。
50.59° N, 8.68° E
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出典 (8)
- uni-giessen.de/de/ueber-uns/botanischer-garten/rundgang
- uni-giessen.de/de/ueber-uns/botanischer-garten/offen
- uni-giessen.de/de/ueber-uns/botanischer-garten/geschichte
- uni-giessen.de/de/org/admin/dez/e/4/bauprojekte/neubau_gewaechshausanlage
- uni-giessen.de/de/ueber-uns/pressestelle/pm/pm137-22schmuckstuecke-des-botanischen-garten-
- uni-giessen.de/ueber-uns/pressestelle/pm/pmgewaechshaus
- glasstec.baumeister.de/client_articles/botanischer-garten-giessen-haas/
- wicona.com/de-de/professionell/magazin/alle-referenzen/botanischer-garten-giessen
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