オルキダリオ・ドス・アソーレス(アゾレスのラン温室)、ファイアル植物園
アゾレス諸島、オルタ(フラメンゴス)

2026年10月時点で出典を確認済み
- 年代
- 2019
- 建築家
- ファイアル植物園のチームとアグロゼンデ社
- 様式
- 暖房付きの温室と日陰のエリアをもつ、現代的なラン温室
- 規模
- 900 m²(2018年の計画)
- 状況
- 一般公開中
オルタのすぐ外にあるファイアル植物園に2019年に開設されたアゾレスのラン温室は、贈り物から生まれました。フィンランドのランタ家が所有していた約7,000株のランのコレクションが、2015年に地方政府に託されたのです。熱帯種のための暖房付きの温室2棟と、日陰のエリア2か所、温帯の気候のランのための屋外区画を備え、ラン科についての展示もあります。展示植物の中には、マダガスカル原産のダーウィンのラン(Darwin's orchid)があります。
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歴史
ファイアル植物園は、1986年から、アゾレス地方政府の環境部門によって、フラメンゴスの谷にある牧草地とオレンジ園の地所、キンタ・デ・サン・ロウレンソ(Quinta de São Lourenço)のもと農場に整えられました。オルタの中心から約2.5 km離れています。同じ年に一般公開され、現在はファイアル自然公園が運営する環境センターのネットワークに属しています。
ラン温室は一つの贈り物から始まりました。2015年、フィンランドのランタ家が庭園にランのコレクションを寄贈しました。これは当時、地域がこれまでに受けた最大級の民間寄付の一つと評され、700種類を超える約7,000株でした。これを収める約800 m²の新しい建物が計画されました。その栽培用土を用意するため、地域全体でコルク栓を集める運動が行われ、目標は100,000個でした。2016年6月までに約55,000個が寄せられていました。
庭園拡張の公開入札は2016年2月に公示されました。2018年3月、地域の環境局は、敷地が8,000 m²から約15,000 m²に広がると発表しました。費用は650,000ユーロで、900 m²のラン温室、種子バンクの新しい建物、湿地のエリアが含まれます。拡張部分は2019年にオルキダリオ・ドス・アソーレス(Orquidário dos Açores)とともに開き、地方政府は最終的な費用を600,000ユーロとしています。参照した資料では、開館の月が6月か7月下旬かで食い違っています。

建築と構造
アゾレスのラン温室(Azores Orchid House)はガラスの宮殿ではなく、実用的な施設で、植物園自身のスタッフがアグロゼンデ社(Agrozende)と組んで設計しました。ランは気候上の要求に応じて配置されています。暖房付きの温室2棟には熱帯地域の種が、日陰のエリア2か所と屋外の区画には温帯の種が置かれ、要求がまったく異なる植物を一つの敷地で見せられるようになっています。
2018年の計画では900 m²の建物が想定され、2015年に言及された約800 m²から増えました。展示は島自身の素材を生かしており、暗色や赤みを帯びた火山岩が景観に使われ、ランは植えられ、吊るされ、または支持体に取り付けられていて、栽培での通常のやり方に従っています。栽培用土は、2015~2016年の収集運動で集めたコルクを再利用して用意される予定でした。ラン科についての解説展示が、順路を締めくくります。

植物コレクション
ラン温室には二つのコレクションがあります。一つ目は約30種で、収集家エンリケ・ペイショト(Henrique Peixoto、1917~2007年)が集めたもので、オルタのサンタ・カーザ・ダ・ミゼリコルディア(Santa Casa da Misericórdia)から引き継がれました。二つ目はそれよりはるかに大きく、ランタ家のもので、2015年に約7,000株とともに届きました。野生種と交配種は、生態上の好みに応じてまとめられています。
最も話題になる植物は、マダガスカル原産のダーウィンのラン(Angraecum sesquipedale)です。その形から、チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)は並外れて長い口吻をもつ送粉者の存在を予測し、それは1903年に確認されて Xanthopan morganii praedicta と名づけられました。開館の際、雑誌『ジャルディンス』(Revista Jardins)は、ランの自然の生育地を思わせるシダやブロメリアといった共生植物がないことを指摘しました。
見学案内
ラン温室は、フラメンゴスにある庭園の中心の敷地、オルタの中心から約2.5 kmの場所にあります。見学では、公開されているほかのコレクションも無理なく回れます。アゾレス諸島の希少種と固有種、昔の農作物、薬用・香料植物、主な侵略的外来種、そして諸島の植生の自然史についての常設展示です。同じ敷地には、2003年に設立されたアゾレス種子バンクと、長崎の原爆を生き延びたカキから育てて2017年に植えられたカキの木があります。庭園のペドロ・ミゲルにある高地の敷地は月桂樹林に充てられ、同じ機関が運営しています。
38.55° N, 28.64° W
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