チューリッヒ大学植物園の熱帯ドーム
チューリッヒ、チューリッヒ州

2026年10月時点で出典を確認済み
- 年代
- 1976~1977年
- 建築家
- ハンス・フバッハーとアンネマリー・フバッハー(2011~2013年の改修:ヘルレ・フバッハーおよびフバッハー+パイアー)
- 様式
- アルミ管とアクリルパネルによるカロット(球冠)形のドーム(1970年代)
- 状況
- 一般公開中(2011~2013年に改修)
1977年に、リースバッハ地区のボードマー=アベッグ家のかつての庭園に開園したチューリッヒ大学植物園は、造園家フレッド・アイヒャーが設計し、薄いアルミ管の格子にアクリルパネルをはめた、1976~1977年に建てられた3つのカロット形の温室で知られています。それぞれ独自の気候を持ち、熱帯低地雨林、熱帯山地林、サバンナです。ほとんど不透明になっていたため、2011~2013年に換気付きの二重外皮で改修され、管理棟も含めて1,480万フランの予算が充てられました。
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歴史
1833年に創立されたチューリッヒ大学は、1830年代にシャンツェングラーベン(Schanzengraben)沿いの旧「ツア・カッツ(Zur Katz)」稜堡に植物園を得ました。1851年にはガラスと木造のパームハウスが開かれ、八角形のパビリオンは1877年に鋳鉄の骨組みを与えられました。現在は指定建造物として、大学の民族学博物館を取り囲む旧植物園に残っています。
敷地が手狭になり、特に学生数が増えていたこともあって、州は1961年に、リースバッハ(Riesbach)地区にあるボードマー=アベッグ家(Bodmer-Abegg)所有のヴィラ・シェーナウ(Villa Schönau)の敷地を購入しました。1971年には有権者が新しい植物園を承認しています。造園家フレッド・アイヒャー(Fred Eicher、1927~2010年)が公園を設計し、3つのドーム形の温室は1976~1977年に建てられ、植物園は1977年に開園しました。大学とウィキペディアはドームを、ハンス・フバッハー(Hans Hubacher)とアンネマリー・フバッハー(Annemarie Hubacher)の設計事務所の作としていますが、州建築局の2013年のパンフレットは、建築家をフバッハー、イスラー、マウラー(Hubacher, Issler and Maurer)としています。
35年たつと、アクリルは透明性の大半を失い、植物の生育にも支障が出ていました。2005年に発表されたこの計画は、2006年の実現可能性調査を経て、2009年11月に州政府が予算を承認しました。ヘルレ・フバッハー(Haerle Hubacher)とフバッハー+パイアー(Hubacher + Peier)の共同設計事務所が率いる工事は2011年3月に始まり、2012年12月に完了しました。温室は2013年6月初めに一般に再公開され、2013年9月に正式に落成式が行われています。

建築と構造
それぞれの温室は、薄い構造用アルミ管の格子が湾曲したアクリルパネルを支える、カロット(球冠)形をしています。アメリカで開発されたこの方式は、特別な気候条件をつくり、できるだけ多くの光を取り込むために選ばれました。ウィキペディアによれば、このような構造がスイスで計画されたのは初めてのことでした。褐色がかった色合いだった当初の板は、紫外線で曇ってもろくなり、アルミの骨組み内の熱膨張によって、隅部にひび割れが生じました。
改修では、骨組みとドームの輪郭は残したまま、外皮を二重のものに替えました。2枚の PMMA 板を接合して密閉された部材とし、別個に換気される空気層を挟んだもので、断熱し、結露を抑える役目を果たします。アジアで製造されたこの素材はオーストリアの専門業者が成形し、室内の気候は、自然な熱の対流と機械による空気循環の組み合わせで保たれています。育苗用の温室は解体されて建て直され、管理棟も全面的に改修されました。地下レベルにある入口ホールには、根の網目を思わせる土色の赤をした、背面から照らされる天井がつくられ、芸術家で数学者のウルス・ベート・ロート(Urs Beat Roth)による、フィボナッチ数列に基づくインスタレーションが加わりました。管理棟を含む総費用は、1,480万フランでした。

植物コレクション
最も大きなドームは熱帯低地雨林の気候を再現し、あとの2つは熱帯山地林とサバンナを表現しています。来園者はソテツ類、木生シダ、ラン、多くの有用植物のほか、水槽や食虫植物も見ることができます。「生きている石」(living stones)やウェルウィッチアなど、アフリカ南西部の珍しい植物が、ベネズエラのテプイの植生を再現した展示と並んでいます。改修後は、熱帯雨林の巨木を再現した高さ14 mの模型が、6 mの高さに展望台を備え、教材として使われています。
増えた光のおかげで、これまで開花したことのなかった種が花を咲かせるようになりました。チリとアルゼンチンの温帯雨林に生える赤い樹皮の木 Drimys winteri や、メキシコ原産のランであるバニラ(Vanilla planifolia)などです。植物園全体では約7,000種を擁しています。
見学案内
ドームは、リースバッハ地区(第8区)のツォリカーシュトラーセ(Zollikerstrasse)の庭園内にあります。起伏のある公園で、大きな樹木の群落があり、年間100,000人以上が訪れます。入口はホールで、インタラクティブなパネルと4つのテラリウムが見学の導入になっています。見学は、地中海植物、樹木園、中央の池、ヒマラヤに重点を置いた高山植物園、栽培植物の庭といった、庭園のテーマ別エリアへと続き、大学はあらゆる年齢向けの講座やガイド付きツアーを開いています。市の中心部では、シャンツェングラーベン沿いの旧植物園に、1851年のパームハウスと、博物学者コンラート・ゲスナー(Conrad Gessner)に捧げられたハーブ園が残っています。
47.36° N, 8.56° E
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