オズボーン・ハウスの塀に囲まれた庭園の温室群
イースト・カウズ、ワイト島(イングランド)

2026年10月時点で出典を確認済み
- 年代
- 1854年
- 建築家
- バーミンガムのトーマス・クラーク社(イングリッシュ・ヘリテージによる。別の名鑑ではヘンリー・ホープ)
- 様式
- ヴィクトリア朝、ゴシック様式の片流れ温室2棟
- 規模
- 片流れ温室2棟。寸法は未公表(塀に囲まれた庭園は約75×55 m)
- 状況
- 塀に囲まれた庭園はオズボーンとともに一般公開(イングリッシュ・ヘリテージ)。温室内への立入りは記載なし
ヴィクトリア女王とアルバート公の一家の住まいだったワイト島のオズボーンの領地にある、18世紀の塀に囲まれた庭園には、南向きの壁に寄せて片流れ温室が2棟あります。イングリッシュ・ヘリテージは、異国の植物を展示するため1854年にこれを建てたのはバーミンガムのトーマス・クラーク社だとしていますが、塀に囲まれた庭園の名鑑はヘンリー・ホープとしています。ヴィクトリアン・ウェブ(Victorian Web)は、換気の調節装置を備えたゴシック様式の構造物で、ボイラーを新しくして修復されたと述べています。2000年に一般公開された庭園には、現在、宿根草の植栽、仕立てた果樹、パルマスミレのコールドフレームがあります。
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歴史
オズボーンの塀に囲まれた庭園は、王室が来る前からありました。イングリッシュ・ヘリテージ(English Heritage)はこれを18世紀後半、ブラッチフォード家の時代のものとしており、ヒストリック・イングランド(Historic England)の公園・庭園登録簿は、1775年のロバート・ポープ・ブラッチフォード(Robert Pope Blachford)の改良に結びつけています。ヴィクトリア女王(Queen Victoria)とアルバート公(Prince Albert)は1845年にこの領地を購入し、現在の邸宅は1846年から1850年にかけて、トーマス・キュービット(Thomas Cubitt)の施工で建てられました。菜園は役割を変えました。アルバートは、のちに敷地内に植えるための樹木や低木をここで育て、その後、邸宅に切り花と鉢植えを供給しました。前の邸宅のポルティコは東の入口として建て直されており、イングリッシュ・ヘリテージは1848年、登録簿は1850年としています。
温室は1854年のものです。イングリッシュ・ヘリテージによれば、このとき、背後に付属の建物をもつ片流れ温室2棟が、異国の植物を展示するために、バーミンガムのトーマス・クラーク社(Thomas Clark & Co)の手で、南向きの壁に寄せて建てられました。ヴィクトリアン・ウェブは、年代と製作者についてマイケル・ターナー(Michael Turner)のガイドブックを引いており、これらはアルバート公がウィンザー近郊のフロッグモアで最近建てさせたものと同じ設計だったと付け加えています。一方、塀に囲まれた庭園の名鑑は、修復された1850年代の温室をヘンリー・ホープ(Henry Hope)の作としており、クラークには触れていません。確認した資料はこの点に決着をつけていません。
1902年に国に寄贈された領地では、塀に囲まれた庭園がイングリッシュ・ヘリテージの「現代遺産庭園計画(Contemporary Heritage Garden Scheme)」の下で修復され、ルパート・ゴルビー(Rupert Golby)の設計で2000年に来訪者に公開されました。ヴィクトリアン・ウェブは、温室そのものも修復され、ボイラーは交換が必要だったと記しています。


建築と構造
ヒストリック・イングランドは、約75 m×55 mの囲い地を、赤レンガの壁で囲まれ、北の壁の外側に寄せて庭師の小屋(ボシー)、内側に寄せて片流れ温室2棟があると説明しています。イングリッシュ・ヘリテージは、温室が南向きの壁に寄りかかり、背後に付属の建物があると明記しています。ヴィクトリアン・ウェブはこれをゴシック様式の構造物と呼び、空気の流れを調節する装置が付いているとしています。
確認した資料には、各温室の寸法も、骨組みの素材も、ガラスの詳細も出てきません。壁についてはもっとよく記述されています。トーマス・キュービットは壁を高くし、レンガの控え壁にスタッコを施して粗面仕上げの付け柱のように見せ、その上に球形の頂華を載せました(ロイドとペヴスナー、ヴィクトリアン・ウェブによる引用)。イングリッシュ・ヘリテージも前面の壁がかさ上げされたことに触れています。東の入口は、東の壁の中央に、前の邸宅の18世紀のスタッコ仕上げのポルティコを再利用したもので、粗面仕上げの付け柱、ペディメント、半円形の扇形窓の付いた扉があります。当初の庭園の十字路の配置は復元されています。


植物コレクション
現在、温室に何が収められているかについて、資料はほとんど語っていません。イングリッシュ・ヘリテージは、異国の植物を展示するために建てられたと述べ、島の温暖な気候のおかげでオレンジのような変わった作物を育てられたと記していますが、それがガラスの下でのことかどうかは述べていません。ヒストリック・イングランドのアーカイブにある2枚の写真が内部を写しています。1枚は2007年5月のもので、温室の棚にあるサボテンとテラコッタの鉢植えの細部、もう1枚は2008年9月のもので、温室の内部の眺めです。
庭園では、イングリッシュ・ヘリテージが、温室の近くにあるコールドフレームを挙げています。そこには季節ごとの球根植物とパルマスミレのコレクションがあり、ヴィクトリア女王のお気に入りだったこのスミレは、今もそこで枠の下で育てられています。庭園は宿根草の植栽が中心で、水平のエスパリエや扇形に仕立てた歴史的な果樹の品種があり、その中には王室の夫妻にちなむ名をもつ品種、つまりリンゴの 'Lane's Prince Albert'、ヴィクトリア・プラム、ルバーブの 'Prince Albert' もあります。バラは毎年6月に、庭園のアーチの間で咲きます。
見学案内
塀に囲まれた庭園は邸宅の西約150 mにあり、正式な入口は東の壁の中央にある古いポルティコです。邸宅とプリンス・オブ・ウェールズ・ロッジを結ぶ「ロッジ・ウォーク」と呼ばれる小道が、その北側に沿って延びています。イングリッシュ・ヘリテージのページは、温室に入れるかどうかを述べていないため、現地で確かめておくとよいでしょう。宿根草の植栽は夏が最も美しく、バラは6月に咲き、球根植物とスミレのコールドフレームは、シーズンの初めを彩ります。庭園には30分から1時間を見込み、邸宅、2016~17年に改修されたテラス、スイス・コテージ、女王のビーチと組み合わせてください。
50.75° N, 1.27° W
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出典 (8)
- english-heritage.org.uk/visit/places/osborne/things-to-do/the-walled-garden/
- english-heritage.org.uk/visit/inspire-me/historic-gardens/kitchen-gardens/
- historicengland.org.uk/listing/the-list/list-entry/1000929
- victorianweb.org/history/victoria/10.html
- historicengland.org.uk/images-books/photos/item/DP055287
- britishlistedbuildings.co.uk/101223804-portico-now-the-entrance-to-the-walled-garden-at-os
- walledgardens.net/garden-finder/page/11/
- openstreetmap.org/way/112162474
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