ボランティア・パーク温室
ワシントン州シアトル

2026年9月時点で出典を確認済み
- 年代
- 1912
- 建築家
- ヒッチングス社
- 様式
- ヴィクトリア朝、ロンドンのクリスタル・パレスに着想
- 規模
- 独立した温室5棟、ガラス3,426枚
- 状況
- 運営中
ニューヨークのヒッチングス社からキットとして出荷され、シアトルの公園局が組み立てたこのヴィクトリア朝の温室は、1912年に、キャピトル・ヒルのボランティア・パークの北端に開館しました。ロンドンのクリスタル・パレスから明確に着想を得た、ガラス、木、鉄の建築は、ブロメリア、シダ、ヤシ、季節の植物、サボテンにそれぞれあてた5棟に分かれています。市のランドマークに指定されており、連邦の魚類野生生物当局が押収した外来植物の保管施設も兼ねています。年間150,000人を超える来訪者があります。
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歴史
ボランティア・パークにヴィクトリア朝様式の温室を建てる案は1893年に初めて出されましたが、具体化したのは、1904年からオルムステッド・ブラザーズ(Olmsted Brothers)が公園の計画に起用され、ジョン・チャールズ・オルムステッド(John Charles Olmsted)が主任設計者となってからでした。ニューヨークのヒッチングス社(Hitchings Company)が構造物を設計・製作し、鉄道で全米を横断して送り出しました。シアトルの公園局の職員が現地で組み立て、1912年に開館しました。鋼鉄の骨組みには、今もピッツバーグのカーネギー・スチール社の刻印が残っています。
1950年代の最初の修復では、当初のラクウショウの枠が、より耐久性の高い木材に取り替えられました。1970年代初めには建物の劣化がひどく進み、安全上の理由から閉鎖されました。1977年に、市が250,000ドルを拠出し、市民団体が同額を集めて、ガラス、サッシ、鉄細工を新しくしました。温室の友の会(Friends of the Conservatory)は1980年に設立され、以来この建物を支えています。1990年代半ばには、30年計画の段階的な修復プログラムが始まり、木製の部材を押出成形のアルミニウムに取り替えていきました。東翼と付属の温室は2012~2013年に350万ドルをかけて改修され、のちに教育用の翼棟として、シャロン・プリービー教育棟(Sharon Priebe Educational Wing)が加わりました。2004年には、入場料を導入する案が地元の反対で退けられています。


建築と構造
この温室は、プレハブ式ヴィクトリア朝建築のよい例です。専門メーカーが設計と骨組みを部材の形で供給し、現地で組み立てました。形はロンドンのクリスタル・パレスを明らかに意識しており、中央のパビリオンを両側のガラス張りの翼棟が挟むという発想を、はるかに小さな規模で響かせています。
鋼鉄の骨組みの上に、木と鉄の枠が組まれ、約3,426枚のガラスがはめ込まれています。正面入口の上には、ラクウショウ(Taxodium distichum)製の扇形のルネット窓があり、クジャクの窓と呼ばれています。創建当時のまま残る数少ない特徴のひとつで、2000年に修復されました。建物は気候の異なる独立した5つの温室に分かれ、ひと続きの順路でつながっています。度重なる修復で、木材の多くが湿気に強いアルミニウムに置き換えられましたが、全体のシルエットは変わっていません。この温室は、シアトル市のランドマークに指定されています。


植物コレクション
各温室には、それぞれの専門があります。ブロメリア室では、数十種のティランジア(Tillandsia)をつけた鉄製の展示用の木に着生植物が取り付けられ、パイナップルなどの地上生のブロメリアも展示されています。シダ室には、シダに加えて、ソテツ類、トケイソウ、ハイビスカス、食虫植物の湿地園があります。パームハウスには、ヤシ、バナナ、ゴクラクチョウカ、アンスリウム、ショウガ類、ランがあり、ランのコレクションは1921年にアンナ・H・クライス(Anna H. Clise)から寄贈されたものが始まりです。サボテン室には、オプンティア、パキポディウム、ハオルチア、アガベ、アロエ、ユーフォルビアが集められています。一方、季節の温室は年に6回、すっかり植え替えられ、ポインセチア、キク、アザレア、アジサイ、フクシアなどが飾られます。
この温室は、ワシントン条約(CITES)に基づいて連邦当局が押収した植物の保管施設としての役割も担っています。ショクダイオオコンニャク(Amorphophallus titanum)は、2005年、2008年、2014年にここで開花しました。


見学案内
温室は、キャピトル・ヒルのボランティア・パークの北端にあります。ここはシアトルのオルムステッド設計の公園のひとつで、園内にはシアトル・アジア美術館と歴史的な給水塔もあります。5つの温室は、約45分で見て回れます。季節の温室は年に数回入れ替わるので、何度訪れても楽しめます。年末のポインセチアが最もよく知られた展示で、ランの展示会と販売会もここで開かれます。温室の友の会は、館内で家族向けの催しや小さなコンサートも開いています。
47.63° N, 122.32° W
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