ビクトン・パーク植物園のパームハウス
ビクトン、デヴォン

2026年10月時点で出典を確認済み
- 年代
- 1820~1825年頃・1985年に改修
- 建築家
- 記録なし(コンサバトリー遺産協会はジョン・クローディアス・ラウドンの作としている)
- 様式
- 曲線を描く鉄骨の温室。中央のドームと、半ドームの翼棟
- 規模
- 重ね合わせた小さなガラス板が約18,000枚
- 状況
- 一般公開中
デヴォン州ビクトンのロール家の領地に1820~25年頃に建てられたこの温室は、最も初期の鉄骨のガラス温室の一つです。曲線を描くヴォールトの下に背の高い端が丸い中央棟があり、レンガの背面の壁に沿って、半ドーム屋根の低い2つの翼棟が両側にあります。屋根は、水平の横桟が一切ない、重ね合わせた小さなガラス板約18,000枚でできています。1987年からグレードIに指定され、1985年に大規模に改修されたこの温室は、一般公開されているビクトン・パーク植物園の中心でヤシのコレクションを収めています。
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歴史
デヴォン州東部のビクトンにある公園は、1730年代からロール家によって造られました。当初の設計はアンドレ・ル・ノートル(André Le Nôtre)によるという言い伝えがありますが、庭園の大半が形を整えたのは18世紀から19世紀、とりわけ初代ロール男爵ジョン・ロール(John Rolle, 1st Baron Rolle)のもとにあった1800年代初めです。パームハウスもこの時期のもので、指定の登録記録では1820~25年頃、庭園側では1825年頃とされ、庭園はこれによってキューのパームハウスより約20年古いと考えています。設計者は定かではありません。登録記録には誰の名も挙げられておらず、コンサバトリー遺産協会はジョン・クローディアス・ラウドン(John Claudius Loudon、1783~1843年)の作としています。
20世紀に入ると、公園は1950年代に第21代クリントン男爵(21st Baron Clinton)によって修復され、1963年に一般公開されました。1986年に慈善信託へ移り、1998年にはサイモン・リスターとヴァレリー・リスター夫妻(Simon and Valerie Lister)に売却されています。パームハウスは1985年に大規模に改修され、その際に古いガラス板が現代のガラスに替えられました。1987年2月10日からは、隣接する温室およびテラスの壁とともに、最高位の保護区分であるグレードIに指定されています。


建築と構造
建物は南西を向いています。先端が丸い主棟は、石灰岩の笠石をのせ、内側に漆喰を塗った高いレンガの背面の壁から直角に張り出し、低い外壁の上に、湾曲した高いヴォールトが立ち上がります。その両側には、より低く短い翼棟が壁に沿って延び、四分円状の壁と半ドーム屋根を備えています。南東では背面の壁がオランジェリーまで続き、2つ目の温室の切妻に突き当たります。この温室は、レンガと石灰岩の切石積みの低い基礎壁に木造の上部構造をのせたもので、パームハウスや、地元産の乱石積みのテラスの壁とともに保護されています。
骨組みは鋳鉄で、ごく細いガラスの桟が屋根の曲線に沿っています。水平の桟は一切なく、約18,000枚の小さなガラス板が重なり合い、それぞれの凸状の下縁が下の板にかぶさっています。庭園によれば、手作りだった当初のガラス板は、雨水が鉄骨から流れ落ちるように、中央より縁のほうが厚くなっていたといいます。大きな中央のドームは自立しており、側翼は細身の鋳鉄の柱で補強されています。

植物コレクション
コレクションの中心はヤシで、冬の室内温度は5 °Cまで下がることがあります。その中には、アメリカ合衆国南部原産で−12 °Cまでの霜に耐えるニードルパーム(Rhapidophyllum hystrix)や、屋外でも栽培されている中国原産のシュロ(Trachycarpus fortunei)があります。オーガスタ(Strelitzia nicolai)は、極楽鳥花を思わせる大きな白い花を添えます。
庭園にはほかにも温室がいくつかあります。2011年に改装された温帯温室は、南アフリカからオーストラリアまで、古い超大陸ゴンドワナの植物の系統をたどる展示です。ほかに、サボテンと多肉植物の乾燥温室、晩春から秋まで公開されるペラルゴニウム温室、そして庭園のウェブサイトを2026年10月に確認した時点では緊急修理のため閉鎖中だった熱帯温室があります。この領地は、1836年に初めて花を咲かせたとされるランの Lemboglossum bictoniense の名の由来にもなっています。
見学案内
パームハウスは、デヴォン州東部のバドリー・ソルタートン近くにあるビクトン・パーク植物園の中にあり、イタリア式庭園越しにセント・メアリー教会を望みます。公園には、1812年にフランス人捕虜が掘った湖、1830年に植えられた樹木園、1842年のアラウカリアの並木道、1806年のオランジェリー、1839年に建てられた城郭風の八角形のチャイナ・タワーもあり、少なくとも半日は見ておきたいところです。森の狭軌鉄道と田園博物館も見学を締めくくってくれます。温室も屋外の庭園も楽しめるのは、春と夏がベストシーズンです。
50.67° N, 3.31° W
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