アスコグ・ホールのヴィクトリア朝シダ園
アスコグ、ビュート島(アーガイル・アンド・ビュート)、スコットランド

2026年10月時点で出典を確認済み
- 年代
- 1870年頃(1995~1997年に修復)
- 建築家
- エドワード・ラ・トローブ・ベイトマンの作とされる
- 様式
- 鋳鉄の桁とガラス屋根を備えた、地面を掘り下げたヴィクトリア朝のシダ園
- 状況
- 季節限定で公開(私有の庭園)
ビュート島のアスコグ・ホールの南の土手を掘り下げて造られたこのヴィクトリア朝のシダ園は、1870年代のものです。グラスゴーの商人アレクサンダー・バナタイン・スチュワートの依頼で、設計はランドスケープ・アーティストのエドワード・ラ・トローブ・ベイトマンの作とされています。20世紀に荒れるにまかされましたが、1996年に当初のものに合わせた新しい鉄とガラスの屋根が付けられ、1997年に再開しました。エディンバラ王立植物園の協力で植え直されています。自慢の展示は、千年以上の樹齢とされるキングファーン(Todea barbara)です。
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歴史
ビュート島の東海岸にあるアスコグ・ホールは、1844年にジェームズ・スチュワート牧師(Rev James Stewart)のために建てられ、1862年にグラスゴーの建築家ジョン・ハニーマン(John Honeyman)の手でスコティッシュ・バロニアル様式に改築されました。シダ園は次の世代のものです。ヒストリック・エンバイロメント・スコットランド(Historic Environment Scotland)によれば、1867年から1879年のあいだに、グラスゴーの商人でビュート島の議長(convener)だったアレクサンダー・バナタイン・スチュワート(Alexander Bannatyne Stewart)が依頼したものです。設計は、芸術家で庭園設計者のエドワード・ラ・トローブ・ベイトマン(Edward La Trobe Bateman)の作とされています。彼は人生の多くをオーストラリアで過ごしたのち、1869年にこの島に定住した人物で、最初のシダのコレクションを集めたのも彼だとされています。正確な年代は資料によって異なり、スコットランドの登録簿では1870年ごろ、ほかの資料では1875年となっています。
1879年10月25日、『ガーデナーズ・クロニクル』(The Gardeners' Chronicle)がこの邸宅についての記事を掲載し、シダの完全な一覧が付いていました。この文書は、1世紀以上のちに決定的な役割を果たすことになります。領地は20世紀に衰えていき、1980年代半ばに新しい所有者が買い取ったとき、シダ園は下草に埋もれた廃墟で、1987年の伐開作業中に再発見されました。この年にカテゴリーBで登録され、1995年にヒストリック・スコットランドから新しい屋根のための助成金を受け、屋根は1996年に建てられてガラスが張られました。シダ園は1997年6月に一般公開を再開し、2001年にヒストリック・ガーデンズ財団(Historic Gardens Foundation)から最優秀賞を受けました。敷地は2013年に所有者が替わり、庭園はその後さらに整備されています。

建築と構造
これは地面を掘り下げた温室です。自然の土手を切り込んだ谷間のような形で、洞窟に降りるように階段を下りて入り、屋根は地面の高さにあります。所有者のサイトはL字形の平面と説明し、ヒストリック・エンバイロメント・スコットランドの登録は腎臓形としています。どちらも、地元産の赤い砂岩の粗石を非常に大きな塊で積んだ壁と、東側の砂岩の入口を強調しています。
鋳鉄の桁が、浅いドーム状のガラス屋根を支えています。1879年の記事はすでに、端が丸い切妻屋根の温室と述べ、堅固な造りをほめていました。内部では、中央のロックガーデンを装飾的な小川が縫うように流れ、滝が池に注いでいて、全体が自然の湧き水でまかなわれています。壁に沿って不規則に設けられた粗石の窪みにシダが植えられ、床には玉石が敷かれています。シダ園に暖房はありません。掘り下げた位置が寒さから守ってくれますが、夏の暑さには、通気口を開け、毎日水をやることで対処します。1996年に取りつけられた現在の屋根は、もとのものを再現しています。
植物コレクション
温室の主役は、キングファーン(king fern、Todea barbara)です。1870年代のコレクションのうち、放置された年月を生き延びた唯一の植物で、根茎は幅約1 m、高さ約3 mあり、1879年の記事はすでに樹齢1,000年以上と述べていました。しばしば、英国最古の外来のシダとして紹介されます。
修復の際には、エディンバラ王立植物園(Royal Botanic Garden Edinburgh)が、1879年に公表された一覧をもとに植え直しを指導しました。現在のシダ植物のコレクションは、多くの外来種と希少なシダからなり、ヴィクトリア朝の植栽を一株ずつ複製するのではなく、思わせるように配置されています。温室のまわりの3エーカーの庭は、いくつもの部屋に分かれています。野の花とランの草地、バラ園、林間庭園、在来のシダが並ぶシダの小径(Fern Alley)、旧テニスコートの砂利の庭、見本木、ロードデンドロン、アザレア、チリのファイアーツリー(Chilean fire tree)などです。
見学案内
アスコグ・ホールは、ビュート島の東海岸、ロスシーの南東2マイルほどのアスコグの集落にあります。邸宅は今も個人の住まいで、見学できるのは、シーズン中のシダ園とそのまわりの庭だけです。
シダ園そのものは見て回るのにあまり時間がかかりませんが、3エーカーの庭の散策と組み合わせるのが一番です。庭には、プラントハンターのトレイルや、旧厩舎と馬車置き場の廃墟に作られた見どころがあります。家の近くには、移動に困難のある来訪者のための駐車スペースが用意されており、犬も入れます。島の中心の町ロスシーとも、無理なく組み合わせられます。
55.82° N, 5.02° W
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