ボーボリ庭園のリモナイア(レモン温室)
フィレンツェ、トスカーナ

2026年10月時点で出典を確認済み
- 年代
- 1777~1778年
- 建築家
- ザノービ・デル・ロッソ
- 様式
- 18世紀後半のレモン温室。付柱のあるファサードと大きなガラスの開口部
- 規模
- 長さ約106 m、奥行き9 m
- 状況
- 一定の時期(冬の終わりと春)に一般公開
ロレーヌ大公ピエトロ・レオポルドのためにザノービ・デル・ロッソが1777~1778年に建てたリモナイアは、フィレンツェのボーボリ庭園にある、約106 m × 9 mの細長い建物で、平面はわずかに台形をしています。古い植物の保護施設に代わるもので、1677年に整備された動物の囲いの跡に立っています。広いガラスの開口部から、インプルネータ産のテラコッタの鉢に植えられ、中で冬を越す約500本の柑橘類に光と暖かさが届きます。2002~2005年に修復され、一年のうち一定の時期にしか公開されません。
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歴史
ボーボリ庭園は、ピッティ家、メディチ家、ハプスブルク=ロレーヌ家、サヴォイア家、そして最後にイタリア国家へと順に受け継がれましたが、かつては冬の柑橘類を、スタンツォナッチョ(Stanzonaccio)と呼ばれる粗末な小屋で守っていました。ロレーヌ大公ピエトロ・レオポルド(Peter Leopold)が命じた庭園の再編の一環として、1777~1778年に、ザノービ・デル・ロッソ(Zanobi Del Rosso)の設計で、本格的なリモナイアが建てられました。場所は、1677年に設けられた外来動物の囲い、セラーリオ・デッリ・アニマーリ(Serraglio degli Animali)の跡でした。
当時、柑橘の栽培は農業であると同時に、名家の威信のしるしでもありました。この建物は、当時のフィレンツェで最も優雅で近代的な建物のひとつと、変わらず見られてきました。
1816年には、ジュゼッペ・カッチャッリ(Giuseppe Cacialli)のものとされる側面の増築が行われました。資材と道具を置く小部屋と、首席庭師の部屋です。柵は1822年に造り直されました。鉄細工とファサードの工事は、1879年から1888年のあいだに行われました。1966年から1968年にかけて、建物は一時的に、損傷した絵画を修復するための緊急工房に転用されました。漆喰仕上げの回復を含む全面的な修復が、2002~2005年に行われました。
建築と構造
建物は長さ約106 m、奥行き9 mで、平面はわずかに台形をしています。ファサードは、フィレンツェの市民建築目録では後期バロックまたはロココと説明され、付柱と繰り返される柱間で構成されます。各柱間には窓が開き、その上に装飾的なカルトゥーシュをもつ枠付きの開口部がのり、全体がモールディングのあるコーニスで締めくくられています。
正面の大きなガラスの開口部は、この場所の目的に役立っています。熱をたくわえ、できるだけ多くの自然光を取り入れます。寒い季節を屋内で過ごす植物には、これが欠かせません。ジュゼッペ・カッチャッリのものとされる1816年の増築では、左側に小さな付属の部屋が加わりました。


植物コレクション
冬のあいだ、リモナイアにはインプルネータ産のテラコッタの鉢に植えられた約500本の柑橘類が収まります。すべての植物は、メディチ家ゆかりの栽培品種、つまりメディチ家の時代からフィレンツェで育てられてきた品種の子孫です。レモン、シトロン、グレープフルーツ、シトレンジ、ビターオレンジ、キノット、マンダリン、ライムなどがあります。
いくつかの個体は、特別な歴史的・植物学的価値をもちます。地元紙によればフランチェスコ1世・デ・メディチ(Francesco I de' Medici)の時代にフィレンツェに導入された溝のあるオレンジ(Citrus aurantium 'Canaliculata')、'Bizzarria' として知られる柑橘、そしてブッシュカンです。
春と夏、5月から10月までは、鉢はリモナイアを離れ、イゾロットの池のまわり、隣接する庭園、下の植物園に並べられます。

見学案内
リモナイアはボーボリ庭園の中にあり、庭園の正面入口はピッティ宮殿(ピッティ広場、Piazza de' Pitti)と共用です。地元紙によれば、2月から4月にかけての特定の日に一般公開されており、入場は無料で、維持と修復のための任意の寄付が求められます。日程は年ごとに変わるので、出かける前に庭園の管理事務所に確認するのがよいでしょう。
5月から10月は柑橘類が屋外に出るため、庭園そのもののなかで探すほうが適しています。リモナイアの見学は時間がかからず、ボーボリ庭園のほかの部分やピッティ宮殿と自然に組み合わせられます。
43.76° N, 11.25° E
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